「未行」
冷たい空気をさまよう腕が
穏やかな風をしのいで熟れた
赤くこわばる空の奥で
息苦しそうに泣いていた
私を忘れてくれた人に
愛して止まない憎しみをを
注ぎ上げて生まれてきても
歩いているのは
私だった
つぶさに流した白い雨
足を伝って追い立ててくる
もがこうものなら静寂を
もう弱い術に狡猾な指を
絡ませてしまえばいい。