「払い合い」


砂にまみれて消えた地図
焼け爛れていく白い歪みに
ヒビだらけの双眼鏡はつたなく
羅針盤は鉄の形の板

真っ白に染まった帆だけは
風に圧し上げられているのに

波は絶えず甲板を打ち
打ち上げられ煙は雲より低く
尽きては昇る

掛けたままの旗の文字だけは
かすれないで残っているのに

力無く握る縄の先に
つっかえているものをさらい上げよう
明日が遠くなっていく
泥まみれになったままの美徳も